はじめに:できるトレーナーは何が違うのか?

あなたのまわりにもいませんか?
選手の様子を少し見ただけで、トレーニングやケアを対応する際、「今、選手に何が必要なのか」がすっと頭に浮かぶトレーナー。
まるで頭の中に地図があるかのように、状態に応じたベストなプロセスを描ける人たちです。
例えば、ジャンプ力を高めたい選手にスクワットを指導するとき。
経験豊富な人は、まず何をチェックすべきか、どういう段階を踏むべきか、そしてその先にどんなパフォーマンス改善があるか──そんな全体像や工程が自然と見えているんです。
一方、まだ経験が浅い人は「なぜスクワットなのか?」「どう進めるべきか?」で立ち止まってしまう。こうした差は、決して能力の違いではなく、“頭の中の整理の仕方”にあるのです。
To Doの構造化ができるかどうか

できる人は、トレーニングやケアの流れを、無意識に分解して整理しています。
そして、そのTo Doの幅が広く、状況に応じてパッパッパッと組み替える柔軟性もあるんです。
でも──彼らの多くは、それを言葉にしたり、他の人に共有したりしません。
なぜなら、それが「自分のスキル」であり、「自分の価値」だと思っているから。
あなたが「なぜそのメニューを選んだのか?」「その順番にはどんな意味があるのか?」と聞いても、明確な答えが返ってこないのは、こうした背景があるからかもしれません。
Performance Treasure Map®とは?

そこで生まれたのが、Performance Treasure Map®(PTM)です。
PTMは、トレーニングやパフォーマンス向上における「目的→評価→選択→実施→振り返り」という一連の流れを、わかりやすく可視化した“教科書”のような存在です。
各メニューごとに、評価の視点や必要条件、段階的な進め方が明示されており、「何から手をつければいいか分からない…」という方にとっての大きな助けになります。
- 指導経験が浅い方:まずは“型”として使えます
- 経験がある方:思考の整理や、他者への共有ツールとしても活用できます
スクワット指導の例でPTMを使ってみましょう

たとえば、ジャンプ力を伸ばしたい選手にスクワットを導入する場面を想像してください。
PTMを使うと、以下のような流れがすぐに明確になります:
- 身体評価から始める
- 可動域、安定性、過去のケガ歴をチェック
- 必要な条件が整っているか確認
- 正しいフォームが取れるか? 動作のクセはないか?
- 段階的に負荷を調整する
- 自重から入り、軽負荷→高負荷とステップアップ
- パフォーマンスとどう繋がるかを意識する
- このスクワットが、どの動作(ジャンプ・ダッシュ)につながっていくのか?
PTMがあれば、こうした流れを「頭の中でイメージする」だけでなく、誰にでも「見える」ようになります。
PTMが現場にもたらす変化

PTMを活用することで、指導の質と再現性を高めます。
- 「経験の差」=「指導の差」にならない
- チーム全体で共通の“言語”が持てる
- 若手スタッフにも自信を持って任せられる
属人化した“感覚の指導”ではなく、共通認識に基づいた“戦略的な指導”が可能になります。
頭の中の「見える化」が未来を変える

PTMは、「できる人の思考プロセス」を言語化・体系化することで、属人化されたスキルを誰でも再現できるようにするツールです。
あなたの現場にも、「もっと伝えたいのにうまく伝えられない」「チームとして指導力を底上げしたい」といった課題があるのではないでしょうか。
PTMは、そんな課題を解決する“地図”になります。
あなたの頭の中の宝の地図を、次の誰かへとつなぐために──ぜひPerformance Treasure Map®を活用してみてください。
参考にさせていただいたコンテンツ
本記事は、西原亮さんとPIVOTの対談動画から得たアイデアや気づきをもとに執筆しています。動画では「仕事ができる人の思考整理」について、実体験を交えてわかりやすく紹介されており、非常に学びが深い内容です。ぜひ合わせてご覧ください。
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